うまい和食を食べるなら喜膳
長い漁が終わり、漁師は疲れていた。
毎日毎日魚を捕り売る。見飽きるほどの魚。新鮮という意味では漁師ほど新鮮な魚を食べられる職業は無いだろう。
確かに魚はうまい。でももう飽きてしまっていた。
和食は好きだが、魚料理を食べることの喜びは、もう、ない。
山口県下関市は本州の玄関口として栄えた町である。海の幸が港にたくさん入ってくるこの町ではうまい魚に困ることは無い。
シーモール、壇ノ浦、唐戸市場、カモンワーフと下関市の町を巡る漁師は、少し遅い昼食を考えていた。
カモンワーフの前に広がる唐戸商店街。いつもならカモンワーフで取る昼食だが、今日は気まぐれに商店街の方に向かってみる。
歩いてすぐの場所にその店は有った。
店の前に立つ店主らしき男に話しかける。
「この店は何がうまいんか？」
店主はびっくりした顔で答える「魚料理ではどこにも負けません。」
漁師はがっかりした。魚はもういい。
「やはりカモンワーフに戻ろう」と踵を返そうとする漁師に店主が一言言った。
「漁師さんですか？うちの魚食べてみませんか？」
漁師は少し驚いた。漁師の俺に魚を食べろと言うとは。
「そうじゃ、俺は漁師じゃけど、お前はよう漁師に魚を食えと言えるな。」
「店でわざわざ魚を食べる漁師はおらんわ。」
店主は少しニヤリとして、お店の方に手招きする。
「うちの店は漁師をうならせるような料理を出したくてやってるんですよ。」
「魚だけじゃなくて、米も鶏も肉も小麦粉も塩もだし昆布も、食材にこだわって作ってますから、うまいですよ。」
「まあ入ってください、部屋は個室ですし、ガヤガヤしているカモンワーフを離れてゆっくりとできますよ。」
店内の階段を上がりながら個室へと案内する店主の背中は少し大きく見えた。
不器用でも美味しい料理を出すお店として
喜膳の魅力はとにかくその魚料理のおいしさです。
毎日のセリの中で今が旬な食材、素材が一番大きくて、太いうまい魚を仕入れ、丁寧に料理します。
手に入りにくい食材も仕入れ、普段食べられない食材の料理を楽しむこともできます。
- 下関市吉母のウニ
- 新鮮な魚の刺し身盛り
- もちもちの栗おこわ
下関という地域は新鮮な魚が手に入りやすいとても恵まれた地域です。そんな魚料理と旬の野菜を使った四季折々のコース料理をお出ししています。
不器用だけれど美味しい料理を出すことだけに一生懸命になってきた店主です。心をこめてお客様のために料理しております。
個室でのおもてなし
唐戸市場、カモンワーフ。喜膳はカモンワーフの真正面を唐戸商店街に向かい、５分もしない場所にあります。
賑やかな唐戸市場やカモンワーフの喧騒から離れた静かな場所にある,個室のあるお店。全室個室で、ご家族、カップル、仲間内、大人数の宴会など、色々とお客様の人数に合わせて、個室を、ご用意しております!
小さなお子様も、周りに気にしないで、ゆったりとした空間でお過ごせます、
フグをはじめ、本当においしい魚、こだわりの食材をお愉しみいただけます。
早朝の市場、新鮮で美味しい魚を求めて集まるたくさんの人。
漁港からのトラックが到着する度に集まる人だかり、伸びる手。
遠慮などしようものなら新鮮でおいしい魚は手に入らない。
美味しい魚は胴がしっかりと太っていて短い魚。脂の載った産卵前の太った魚を求めて争うように魚を求める。
そんな戦場のような市場の中で、栗原は自分の経験と手触りと情報を元に美味い魚を探す。
そうやって手に入った魚を料理し、お客様が喜んでくれる瞬間、それだけのために毎日睡眠時間を削り、早朝に始まるセリに参加するのだ。
